初めて銃で鹿を殺した時の心境を振り返る

フリーランス農家のきしころ(@kagoshimato)です。

去年から銃で狩猟を開始し、初めての鹿も獲ることが出来ました。魚も活きたまま捌いたこともあったし、鴨だって銃猟で何匹も命を奪ってきました。

では鹿はどうだったか?初めて鹿を殺した時の心境はどうだったか?ということを記しておきます。

※多少ショッキングな画像を使用します。

実際に猟師の概要は下記記事でまとめています。

猟師4年目の僕が猟師になる方法から年収まで徹底的に解説するよ。

2017年7月10日

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最初の鹿

最初の獲物になったのは、まだ小さい子鹿でした。山を歩いてる中で見つけ、発砲。

この鹿と出会うまでに狩猟において15頭程度鹿を目撃。5発程度撃ったが当たったことはなく、この鹿に会った時、初めて弾が当たった。

頭に

引き金の重さ

仕留めた鹿は、山の中で止まっているところを見つけ、発砲した。最初の一発は右の後脚にあたった。血の後を追いかけた。当時は雪がすごく積もっており、血の跡がくっきりだったから。

「このまま逃したらただ撃って遊んだだけになっちまう!」

という思いから必死に逃げた道を追いかけた。僕は命を奪うために銃を撃っているのではないのだから。

300m程逃げた場所だっただろうか?鹿を見つけた。鹿はほとんど動けなくなっており、覚悟を決めたかのようにこちらを見ていた。

鳴き声をあげることもなく、ただひたすらに息をしていた。

苦しんでいる鹿を目にし、早く楽にしてやろうと10m程度離れた場所で弾を装填。銃を鹿の頭に向かって構えた。だが、すぐに引き金を引けなかった

「この鹿、もしかしたらここでトドメを刺さなければ生きられるのでは?」
「そもそも俺が撃たなかったら苦しむこともなかったんだろうな。」

なんて考えが頭の中をぐるぐると駆け巡った。

結果、銃を構えてから15秒ほど考えたあげく引き金は引かれ、鹿の頭に命中。引き金の重さを感じた。

命という重み

命は尊い。これは誰だって言われなくてもわかってることだ。しかし、初めて鹿の命を奪った時、本当に命の重みを感じることができたような気がする。命は尊く重いが、奪おうと思ったらいつでも奪える。奪われることもある。

「この引き金を引けば、目の前にいる鹿は100%死ぬ。」

このような状況がいずれ訪れることは、狩猟を始めた当時から認識していた。一瞬で引き金を引けると思っていたが、僕もどうやら普通の人間だったようだ。

でも一瞬で引き金を引けなかった。結果、15秒余分に鹿を苦しめた。構えた銃口の先に必死に息をする鹿が見えた時に、一度銃を降ろしたような。よく覚えてはいないのだが、躊躇したような気がする。

これから猟師になる人へ

狩猟というものが、山賊ダイアリー狩ガールなどにより、ほんのすこし一般化してきたのは間違いない。これから猟師を目指す人に問いたい。

「命を奪えるか?」

僕が猟師にならなければ、この時殺した鹿は今も生きている可能性は高い。鹿だけじゃない。鴨だって、何羽と命を奪ってきた。

自分がいなければ生きていたであろう命を、どんな大義名分があって殺せるか?どんな理由で命を奪えるか?「銃」という武器の存在は自然界において非常に強力だ。弾を装填し、引き金を引くだけで生き物の命を簡単に奪うことができる。

その状況下を想定した上で、銃の許可をとって猟をして欲しい。安易な考えで狩猟をすると、精神が削られる一方で楽しくないかもしれない。今でも命を奪う時は、自分の精神を消耗している気がする。

自分で撃って殺し、捌いて食べる。非常に労力もかかる。安くて美味しい肉ならスーパーに売っている。それほどまでに僕を引き立てる「狩猟」という存在。その原動力はなんなのだろうか、このまま狩猟をしていれば分かるのだろうか?

安全に狩猟を続けていきたい。

友人猟師へのインタビューを行っているので合わせてご覧ください。

フランス外国人部隊を得て猟師になった本間さんにインタビュー!

2017年3月8日



1 個のコメント

  • 私は鉄砲か好きで、50過ぎても今でもモデルガンで遊んでます^_^
    それくらいだから友達からたくさん狩猟を誘われて来ました。
    決して批判とかじゃないのでご安心ください。
    私は、なぜか生き物を前にして引き金を引かないと思っていたので、やりませんでした。
    グアムとかで本物の銃の的撃ちとかはやりました。
    この記事の殺す時の心境を読ませていただいて、ああやっぱり俺は出来ないわ。と思って、判断は間違えてないなと確認できました。
    でも、銃は好きなので、余裕が出来たらクレーとか的撃ちとかするのに散弾銃の免許取ってみたいとも思います。
    興味深く読ませていただきました。
    ありがとうございます。

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