フリーランス農家のきしころ(@kagoshimato)です。
滋賀県甲良町で第2期協力隊として活動しています。全国各地の協力隊の話を聞いてきた中で、地域おこし協力隊という制度がいかなるものか、どういう扱いをうけるのか、どんな自治体がいいのか?など分かってきたことがあるのでこれから協力隊になりたいと考えている人に少しでも伝わったらいいなと思います。
地域おこし協力隊とは?
「地域おこし協力隊」
を簡潔に説明すると、「3年間お金(要は補助金)をもらいながら独立(起業)に向けた活動ができる」最高のシステムです。実際は1年契約、最長3年までとなっています。管轄は総務省です。
基本的に3年後には起業し、その町に住み続けてもらうという前提がある制度です。しかし、任期後に地域に住み続けている隊員は59%となっています。(これが高いかどうかは判断が付きません)
ごく一部ですが定住を求めない地域もありますが、99%の地域(自治体)が定住を求めていると思って間違いないでしょう。
2017年3月に発表された平成28年度「地域おこし協力隊」の活動状況によれば隊員数は全国で3978人となっており、平成27年度の2625人と比べ約1,5倍に増えています。
僕が協力隊になった2年前、滋賀県では10人程しかいませんでしたが、今年は40名ほどいますからね。県のコミュニティはありますが、全く知らない隊員もいます。
仕事内容は?
役場出勤をする人、農業法人や道の駅に出向する人など様々です。最近は役場出勤してる人をあまり聞かなくなりました。役場から「これやってください」と言われるミッション型と自分で考え行動する「フリーミッション」型の2種類があります。僕はフリーミッション型です。
地域おこし協力隊の給料は?
給料は月給14万〜25万ぐらいの間で各自治体によって違いますが、8割ぐらいの町が16.6万円です。ここから年金や所得税などが引かれるので非常に低いですが、家賃を自治体が負担してくれるのでそこまできつくはありません。町によっては、家賃の他に光熱費、車、通信費(携帯の)なども負担してくれる自治体もあります。
雇用形態は?
地域おこし協力隊の雇用形態は大きく分けて2つあります。
この2つで大きく差が出るのが「副業」が出来るかどうかです。雇用関係有の場合は「公務員」になるので基本的に副業不可です。事前に言えば副業できる自治体もありますが、手続き等が非常に面倒で厄介です。
農業をやって欲しいというミッションで入ってきてるのに、農業で稼いだお金が一円も自分に入らないなんて考えられませんよね。なので僕はフリーミッション型の雇用関係無の自治体にしました。
雇用関係無しの場合は勝手に副業できるので素晴らしいです。経営感覚も身につきますし、3年の任期後の自立も問題ないでしょう。逆に3年間は副業ダメとか言っておきながら定住しろって言うのが無理な話でしょう。と思いますがそれはおいておきましょう。
地域おこし協力隊になる時に必ず見ておきたい項目
ここからは本題の「協力隊になる際に必ずチェックしたい項目」について詳しく説明していきます。協力隊が「失敗」するのは事前のリサーチが足りないからということがほとんどです。しっかり考えて応募することで失敗することは少なくなります。
雇用関係の有無
これは先程説明しましたが、マストで見ておきましょう。雇われるか、雇われないかなので非常に大きな違いになってきます。特に、協力隊として町に入ったはいいが、給料が低くやっていけない。副業しよう!と思っても基本NGです。これでは3年後の定住どころか生活すら厳しいです。
絶対見ておきましょう。これだけはなんとしても雇用関係「無」を選ぶべきです。
ちなみに僕の場合は16,6万で雇用契約が無しなので、所得税が1,5万ぐらい、年金、保険料も全額自己負担なので3,2万ぐらい。普通に10万ぐらいしか残りません。しかも昇給もボーナスも有給もないですからね。普通の暮らしがしたいなら雇用契約有もいいかもしれません。祝日休みなので。
ミッション型か?フリーミッションか?
先程少し触れたミッション型とフリーミッション型について知っていることを書きます。
ミッション型
こちらがミッション型の求人です。「・道の駅「四万十大正」の運営サポート」ってもうそれだけしかできないじゃないっすか!みたいな。他にも「○○地区の農業振興」とか「観光振興に関わること」なんてのがミッション型です。
行政と関わるだけの仕事内容ならいいですが、農業振興になると土日も駆り出されるので実質週7働くことになってる隊員もいます。気をつけましょう。
フリーミッション型
こちらは滋賀県竜王町の募集です。先程のミッション型と比べ活動に縛りが少なく範囲が広いことが分かるでしょうか?例えば「①地域資源(観光資源・特産品)の発掘、振興および開発に関すること」だったら、空き家を改装してゲストハウスにしたい!とか観光資源を利用したイベントを企画できたりします。
これが観光資源を利用したPR!とかだとゲストハウスにするとかは結構ハードルがあります。ちなみに僕の応募は9項目ある中で何かやってください、みたいなやつでした。結果その中から3つやってて結構時間ないですが楽しくやってます。
給料は?
給料も見ておきましょう。高い方がいいですよね。20万円を越える町は稀です。高いほうがいいのですが、高いのにはからくりがあります。それは
応募がきてないから給料を釣り上げる自治体があるということです。協力隊のHPを見て頂ければわかるのですが、1年以上募集してる地域が普通にあります。特に北海道。「募集が来ない」「協力隊になってもすぐやめる何らかの問題がある地域」は給料を上げる事があると聞いたことがあります。
高ければいいや。というのはやめてしっかりしたリサーチが必要です。
自治体のやる気
これもかなり運ですが活動に左右されます。自治体が協力隊を募集している理由が
など正当な理由ならいいのですが、行政にありがちな
とかいうクソみたいな理由だと99%失敗します。隊員側としてはやる気になってわざわざ移住してくるのに、行政はやる気ないっていう最悪の未来が見えるパターンです。
先輩隊員はいるか?
これも行政のやる気に付随して重要です。なぜなら1年目の隊員だと行政も扱いが分からないんですよ!笑
行政は前例の無いことにはめっぽう弱いので、、、初年度で協力隊として入ると非常に厄介です。行政も協力隊の扱いに困っていたりするので、隊員側との熱の差が表に出て我慢できなくなったとき、隊員が爆発します。何人も見てきました、行政と大げんかして出ていく隊員を。。。
「こんなはずじゃない!」って辞めてくんですけど、僕からしたら「君のリサーチ不足ですよ!?」って思うんですけどね。そういう火種を任期中にチェックするためも先輩隊員がいる自治体にするのが無難です。FBとかで色々聞けますし。
受け入れ体制が不十分なまま協力隊を受け入れ自滅する最悪の地域は結構多いです。これは僕が全国情報持ってるのでLINEとかSNSで聞いてください。
地域性はどうか?
ぶっちゃけた話、東北はいい話聞きません。東北ってまとめると炎上しそうですし、、、名前出しても炎上しそうなのでいいませんけど、なんていうんですか。地域性ってあるじゃないですか。
滋賀はすごいですよ。新しいものを受け入れる文化(東海道近いし近江商人)なので、70歳のおじいちゃんが10人ぐらいで飲み会してる場所に行ったら、「今の政治の投票を10%時間短縮したらいくら人件費が浮くか」について話してましたからね笑
畑も一瞬で貸してくれましたし、すごいいい地域性だと思います。あと地域性というか、僕は出身が愛知で滋賀に来たのですが、海がないのは結構つらいです。正直。高速1時間で福井県に行けるのでたまに行くんですけどね。琵琶湖じゃちょっと、、、って言う感じです。
もう少し雪が降らなければいいのですが笑
アクセスの良さ
「僕は田舎に骨を埋める!」みたいな覚悟があって都会を捨てた人ならいいのですが、都心へのアクセスの良さは大事だと思っています。というのも、友人に会えないって結構辛いんですよ。来てくれる、行くにしても滋賀県は新幹線通ってるので東京も家から2時間半程度でいけるんですよ。
特に「観光」がテーマで入る事になるならアクセスは大事です。僕は都会に行くことで色んな人やお店に出会いインスピレーションを受けることができるのでアクセスの良さは超重要です。あと実家の近さも重要。以前親父が倒れた時にすぐさま帰ることが出来たので。
事前視察は絶対行くこと
協力隊になる前に事前の視察は絶対行きましょう!スーパーは近くにあるか?役場の雰囲気は?コンビニは?スタバは?などなど。
僕は2箇所地域訪問しましたが、1つの地域の役場に行った時にヤクザみたいな人が住民課の所で大声上げて怒鳴ってたので、応募をやめた地域があります笑
面接ではこちらが面接しよう
面接では行政の人が面接してきますが、そもそも書類選考なんてみてません。僕の友人で1人だけ書類選考で落とされた人いますが全員面接する、若しくは定員割れしてます。
こちらが面接官の気持ちで
などなど、事前に面接して答えれない地域だと地雷の可能性が非常に高いかなーと思います。ちなみに僕は協力隊の求人をみれば地雷かどうか判断できます。求人出してる人って、役場の素人なのでなんかおかしいんですよね。
オススメの地域
話を聞く限りオススメの地域は結構あります。
などですかね〜北海道の協力隊は冬が辛そうです。伊達市とかはまだ雪が降らないのでいいですけど、弟子屈で協力隊やってる友人なんて冬の写真だけで肺が凍りそうです。
まとめ
地域おこし協力隊というのは、上手く使えば素晴らしい制度なんです。その分ハイリスクです。新卒でなることもできますが、3年間を棒に振る可能性だってあります。しっかりとしたリサーチが必要だということをお伝えしました。
まだまだ総務省は協力隊を増やすみたいですが、ミスマッチがなるべく起きないように願います。
総務省が
って色々いいますけど、実際はその裏に何十人、何百人ものミスマッチが産まれています。間違いなく。しっかりとリサーチしていい人生を歩んでください。
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LINE@kishikoro
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